創立について

経済同友会設立趣意書

　日本はいま焦土にひとしい荒廃の中から立ちあがろうとしている。

新しい祖国は、人類の厚生と世界文化に寄与するに足る真に民主主義的な平和国家でなければならない。

　日本国民は、旧き衣を脱ぎ捨て、現在の経済的、道徳的、思想的頽廃、混乱の暴風を乗切って、全く新たなる天地を開拓しなければならないのである。これは並々ならぬ独創と理性と意力と愛国の熱情とを要する大事業である。

　われわれは経済人として新生日本の構築に全力を捧げたい。而して日本再建に経済の占める役割は極めて重要である。蓋し経済は日本再建の礎石であるからである。

　我々は日本経済の再建を展望しつつ、惨たる荒廃の現状を顧みて、責務の重大なるを痛感する。

今こそ同志相ひきいて互いに鞭うち脳漿をしぼって我国経済の再建に総力を傾注すべき秋ではあるまいか。

　本会は日本経済の堅実なる再建を標榜する中堅経済人有志の機関であるが、その立場は飽くまで経済職能人若しくは経営技術者としての立場を採る。従って政治的立場は無色である。

　我々は何れの政党からも自由であるが、しかし職能人として政策に関与する。

而して各政党の経済政策が洵に貧困を極めている現状に於いて、日々の生産に足場をもつ職能人の経験と知識が国の政策に充分生かされなければ日本経済の秩序ある再建は覚束ないと云える。なお此の点に就いて、本会は中央経済団体と緊密に連繋をとり充分に協力して行きたい。

　本会は他面、会員が相互に啓発し合い切磋琢磨する教室でもあり、また気楽に親交を温める倶楽部でもある。

熊本経済同友会の活動

2025年度　活動方針

人と行動で切り拓く熊本！ ～希望とリーダーシップが描く新しい明日を目指して～

起草者：川口　英之介

　我々の地元熊本は今、「歴史的転換期」を迎えている。半導体関連企業を中心とする産業集積が続き、その影響は県域を越えて九州全体に拡大しつつある。大きなチャンスが我々の目の前で輝いており、活躍の場が広がっている。

一方、既往の物価高に加え、構造的な人材不足に伴い人件費も上昇している。併せて地政学リスク、気候変動リスクの顕在化等もあり、先行きの不透明感が増している。これらの課題・変容を乗り切っていくには、我々経済界・企業経営者が「リーダーシップ」と「行動力」を発揮し、自ら変革を遂げると共に、リスクを取って新たな投資を行うことが重要である。この競争力・企業体力強化に向けた切磋琢磨が、産官学金の連携・協働・共創を通じることにより、最終的には地域の活力強化にもつながる。その実現のための「熊本経済同友会2025年度活動方針」を以下に掲げる。

• • １．経済活性化に向けた経営革新
    　産業集積の動きを、地元経済に根付かせるには、我々地元企業がサプライチェーンの中に間接的にでも参画すること、経済波及効果を確実に取込んでいくことが重要である。その実現のため、高度化投資、経営・ビジネスモデル変革にたゆむことなく努める。前述の課題に対してもＡＩを含む先端技術を活用したＤＸに取組み、生産性と効率性を高め、商品・サービスの質向上と健全な価格転嫁を通し、「高付加価値経営」「経済活性化の好循環」を実現させ克服する。また、伝統的に大きな強みである「自然」や「文化」の豊かさを再認識し、保全と磨き上げに努めることで、国内外における熊本の魅力をより一層高め、投資やヒト・組織、知見を呼び込み、更なる活性化に繋げる。一方で以上の効果を相殺しかねない交通渋滞については、官民連携の取組みを強化し、解消を目指す。

• • ２．人的資本投資、多様性・公平性の追求と幸福度（Well-being）の向上
    　未来を切り拓くカギとなるのは「ヒト」である。生産年齢人口の減少が進む中、イノベーションの原動力となる「多様な人材」を引き寄せ、「若者の県外流出」を防ぎ、最大限の能力を発揮できる環境を整えることが急務である。リスキリング教育に尽力するとともに、多様な背景や価値観を持つ人材、あらゆる世代の人材が活躍できる柔軟な働き方と受け入れ体制を整備することで、エンゲージメントの向上と自己実現の場を提供し、関わる全ての人々の「働きがい」と「Well-Being」を高める。これにより一人ひとりが輝ける社会、理想的な多様性社会を実現させる。

• ３．ＳＤＧｓ達成と環境配慮型経済の実現
  　人類の共通目標であるＳＤＧｓ達成に向けた施策を積極的に推進する。特にカーボンニュートラルの実現は、持続可能な社会の構築に不可欠であり、同時に企業としての対応が今後の取引先選別にも影響を及ぼしかねない重大な課題である。自社およびサプライチェーン上の温室効果ガス排出量把握と削減に努め、責務を果たしていく。併せて本県の誇りである水資源や景観等豊かな自然について、次世代に残すべき資産として「確実かつ完全なる保全」に経済界として積極的に貢献する。

　熊本は今まさに飛躍の時を迎えている。私たち熊本経済同友会の会員企業がビジョンを掲げ、新たな挑戦を始め、熊本、そして日本経済全体の未来を切り拓こう。

役員名簿

2025年度　代表幹事・副代表幹事・常任幹事・会計幹事・幹事

2025年度　名誉代表幹事・顧問